【緊急避難】自動車バッテリーから携帯を充電する方法

この情報は、震災などの緊急時に、緊急避難用として自動車のバッテリーを直接利用し携帯を充電する方法とその際の注意点をまとめたものです

注意!

★リスクを回避するに十分な、自動車(バッテリー)と電気に対する知識と技術をもつプロの方向けの情報です★
自動車整備士の方々からは、絶対にやらないようにという警告を受けています
一般のかたは、まずこちらの「!!警告!!被災現場の自動車には近寄らないでください」を必ずご覧ください。

この作業にはリスクを伴います。やむをえない必要があって作業に着手する場合は、自分の技術レベルを熟考し、十分換気、感電などに注意の上、下記のようなリスクを承知の上で自己責任において行ってください。

バッテリーの状況や周囲環境、または使用者の熟知度によっては、 とても危険な行為です。
1)水素を発生し危険。
2)ぬれた手などで取り扱うと感電死する恐れ。
3)周りに可燃ガスが漏れているとスパークにより爆発の恐れ。
4)ショートなどの過電流時にバッテリー内部が溶損して内部の水素ガスに引火して破裂する恐れ
5)バッテリー液が目に入ると失明する恐れ
6)バッテリーと充電池を直づけすると充電池が爆発する恐れ

中途半端な知識でいい加減に実行すると、危険だけでなく事態を悪化させる可能性もあります。

この情報は、注意事項も含め、すべてを正確に伝えるようにしてください

必要なモノ

★被災した車に近づくのは危険です。とくに水没した開放型バッテリは内部まで水につかるため使えませんので、わざわざ危険を冒さないでください。

車のバッテリー(店頭にある新品バッテリーは充電済みなのでそのまま使用可)
車のシガーソケットから携帯へ充電できるケーブル
配線ケーブル2本(抵抗による電流の不足や発熱を防ぐため、できるだけ太い電線を用いることを推奨)
10mmまたは12mmのスパナ(モンキースパナでも可)

バッテリーの取り外し

0:ボンネットを開けてバッテリーを確認。万一、水没していたり破損している場合は使えない可能性が高い。
1:キースイッチを切る。キースイッチが切れた状態であってもバッテリーが接続されていれば、常にバッテリーの電流は流れているので注意 2:マイナス側の配線を外す。黒い端子の方。ボルトを緩めるときに、スパナが車体に触れないように注意すること。
3:プラス側(赤い端子の方)を外す。赤いゴムカバーが被さっているので、それを手ではがしてから、ボルトを緩めて配線を外す。
4:ステー(固定金具)を取り外す。ステーはバッテリ側と車体の二カ所でボルトで留まっているので、両方とも外す。
5:両手でバッテリを持って引き上げて取り外す。

充電ケーブルの接続

1:車両のシガーソケットに差し込むプラグの、先端の丸い金属がプラス、その横に長い金属がマイナス。この部分(端子)に何かの配線ケーブルを巻き付けて引き出す。
2:プラス側(先端)からの配線ケーブルを間違えないようにバッテリーのプラスにつなぐ。
3:マイナス側(横)からの配線ケーブルを間違えないようにバッテリーのマイナスにつなぐ。
4:充電ケーブルを携帯電話につなぐ。(絶対に充電池に直づけしない)

注意事項/補足

普通の車のバッテリーは、横倒しにするだけで液漏れの危険があります。安定した水平な場所に置き、倒れないように固定してください。その際、上面にある水素抜きの穴をふさがないように注意してください。

バッテリー液は希硫酸のため触れるとやけどしますから、万一液が手や衣服についた場合は、すぐに大量の水で洗い流してください。あらかじめ水を用意しておきましょう。

使用中には水素が発生します。スパークする危険があるので配線の着脱は使用中はせず、使用を止めすこし時間をおいてから着脱してください。換気には気を配りましょう

携帯に限らず、充電池の充電には電圧調整以外にも充電制御が必要なため、絶対にバッテリーと充電池を直づけしないでください。充電池が爆発する恐れがあります。

配線ケーブル2本が入手できない場合は、車両のシガーソケットに差し込むプラグをばらして、ケーブルを直につなぐことも可能です。その場合、プラグ内に機器を保護するヒューズがあるので、必ずヒューズを生かしてプラグ側で接続してください。

水や電気を通さない作業用手袋(感電や硫酸やけど防止用)を着用することも有効です。

バッテリを使い切ると再充電しても使えなくなることがあります

くりかえします。この作業は、感電、爆発などの危険性があるので、必要性を十分考慮のうえ、自己責任で行ってください。

 
2011.5.17 12:00更新

【緊急避難】自動車バッテリーを電源として使う
櫻井知久 carbattery_use@me.com